11−2.溶解法

 ゼラチンの溶解方法には、「膨潤溶解法」と「直接溶解法」の2つの方法があるが、どちらが適切かは、以下にあげたような作業要因による。

  1. ゼラチンの粒度
  2. ゼラチン溶液の濃度
  3. 時間的制約
  4. 溶解作業の規模
  5. 溶解設備(容器形状、撹拌装置など)

「膨潤溶解法」

 ゼラチン粉末をあらかじめ冷水中で膨潤したのち、加熱溶解する方法である。どちらかといえば、小規模の溶解作業に適した方法で、溶解の規模が大きくなると、膨潤ゼラチンの攪拌が困難になったり、冷水を加温するのに長時間を要する。膨潤作業において、特に細粉のゼラチンの場合、攪拌、分散が十分でないと、部分的に膨潤しないことがある。ゼラチン粒子を、むらなく、十分に吸水させることさえできれば、溶解の失敗はほとんどない。

 一般的な溶解条件は、以下の通りである。

 膨潤時間: 30〜60分
 膨潤温度: 10〜25℃
 溶解温度: 50〜60℃

「直接溶解法」

 ゼラチン粉末を、温水に、攪拌しながら直接投入して溶解する方法である。容器中でのゼラチン粉末の分散が十分なされれば、膨潤溶解法に比べて、溶解時間は非常に短縮できる。粉末の分散を完全にし、かつ攪拌による気泡の巻き込みを防ぐため、容器や攪拌機を考慮しなければならない。

 一般的な溶解条件は、以下の通りである。

 溶解温度: 60〜70℃
 溶解時間: 15〜20分

また、ゼラチンの溶解作業における一般的な注意事項を以下にあげる。

  1. ダマの発生を防ぐには、通常の場合、水の中にゼラチン粉末を投入する方がよい。
  2. 過度の加熱によるゼラチンの物性劣化を防ぐため、ゼラチン溶液の局所的な加熱や煮沸は行なわないこと。また、溶解終了後は、粗熱を取り、固まらない程度(40℃前後)まで溶液の温度を下げたほうがよい。
  3. ゼラチンの物性劣化は、低pHもしくは高pHの雰囲気で起こりやすい。このため、果汁やクエン酸の添加は、ゼラチンの溶解と同時に行なわず、最終に近い工程で行なう方がよい。