5−3.分子量分布

 「3.ゼラチンの原料」で述べたように、コラーゲンは、約10万の分子量をもつ3本のポリペプチド鎖(α鎖)で構成されている。コラーゲン分子が加熱処理によって変性すると、3本のα鎖に分かれるが、実際のゼラチン製造では、それ以外にα鎖の2量体(β成分)と3量体(γ成分)も生成する。また、原料処理や工程中の熱履歴によって、コラーゲン、ゼラチンの分子間、分子内結合の一部もランダムに切断されるため、ゼラチンは種々の分子量を持つ分子の集合体になっている。通常、市販ゼラチンは、数万〜数百万の分子量分布をもっている。
 図5−3−1に、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー/PAGI法)によるアルカリ処理骨ゼラチンの分子量分布の一例を示した。顕著なピークが、分子量約10万のα成分である。α、β、γ成分、高分子量および低分子量成分の比率や分子量分布のパターンは、ゼラチンメーカーの製造履歴やゼラチンのタイプ、グレードを反映して、様々に変化する。

<図5−3−1>アルカリオセインゼラチンの分子量分布