7−1.ゼリー強度

 ゼリー強度は、ゼラチンを代表する物理的な特性であり、ゼラチンの商品価値を決める最大の指標となっている。ゼリーの性状は、ゼラチン濃度や冷却温度、時間によって変化するため、品質規格としてのゼリー強度が、「にかわ及びゼラチン」JIS K6503-1996 に定められている。すなわち、6.67%ゼラチン溶液を、10℃で17時間冷却して調製したゼリーの表面を、2分の1インチ(12.7mm)径のプランジャーで 4mm押し下げるのに必要な荷重を、ゼリー強度としている。

 図7−1−1に、ゼリー強度(JIS K6503)が 50〜250g のアルカリ処理ゼラチンの、ゼラチン濃度とゼリー強度(10℃、17時間保存)の関係を示す。ゼラチン濃度が上がるにつれて、ゼリー強度が上昇するのがわかる。
 図7−1−2に、A、Bタイプゼラチンのゼリー強度(JIS K6503)のpH依存性を示した。低pHおよび高pHで、両タイプともにゼリー強度が低下する。また、酸性から中性pHでは、A、Bタイプでゼリー強度の挙動が異なる。したがって、同一ゼラチンを使っても、調整pHによって、ゼリーの固さが変わることがあるので注意が必要である。

<図7-1-1>ゼラチン濃度とゼリー強度

<図7-1-2>ゼリー強度のpH依存性

 図7−1−3は、JS=150〜300g(ゼリー強度:JIS K6503)の 5%ゼラチン溶液を、5〜20℃で冷却したときのゼリー強度の経時変化である。いずれの温度でも、冷却開始後 1〜5時間でゼリー強度が急激に上昇し、それ以降もゆるやかではあるが上昇を続ける。これは、時間とともにゼラチン分子が構成するゲルネットワークが増え、その構造もより強固で安定になるからだといわれている。

 なお、図7−1−3〜5に示したゼリー強度も、JIS K6503 に準じた「ゼリー表面を1/2"プランジャーで 4mm 押し下げる」荷重を表わしている。

<図7-1-3>ゼリー強度の経時変化 〜 冷却温度

 図7−1−4に、テーブルゼリーに用いられるゼラチン濃度域のゼリー強度と冷却時間の関係を示した。図は、JS=170〜310g(ゼリー強度:JIS K6503)の 1.0〜3.0%ゼラチン溶液を、10℃で冷却したときのゼリー強度の経時変化である。
 また、図7−1−5に、糖添加によるゼリー強度(JS=210, 310g のゼラチン 2.0%溶液)の上昇効果を示す。同じ 2.0%濃度でも、10, 20%のショ糖溶液で調製したゼリーのほうが、水ゲルよりもゼリー強度が高くなっている。

<図7-1-4>ゼリー強度の経時変化 〜 ゼラチン濃度

<図7-1-5>糖添加によるゼリー強度上昇効果(ショ糖濃度:10, 20%)