8−2.カプセル

 日本薬局方(第十三改正)は、カプセルを次のように定義している。すなわち、「カプセル剤は、医薬品を液状、懸濁状、のり状、粉末状又は顆粒状などの形でカプセルに充てんするか、又はカプセル基剤で被包成型して製したもの」とされ、硬カプセル剤(ハードカプセル)と軟カプセル剤(ソフトカプセル)の2種類に大別される。

 これらのカプセル基剤にゼラチンが用いられる理由は、主として以下のようなゼラチンの機能、性質による。

  1. ゾル・ゲル変化する。
  2. 皮膜形成能を有し、その皮膜が機械的強度に優れる。
  3. 毒性がなく、体内で容易に崩壊、吸収される。
  4. 入手が容易で、安価である。

 ハードカプセルの製造方法は、色素などが調合されたゼラチン溶液に、カプセル形のピンを漬け、引き上げて反転する間に冷却し、均一なゲル皮膜を作る。これを通風乾燥機で乾燥したあと、ピンから引き抜き、所定の長さにカットする。このプロセスからわかるように、色素や酸化チタンを除けば、ハードカプセルの成分はほとんどゼラチンである。ハードカプセルは、空のボディとキャップ1組からなり、ボディに粉末や顆粒、ペースト、液体の薬剤を充填し、キャップを接合して、薬剤カプセルとなる。

 ソフトカプセルは、ゼラチンにグリセリンやソルビトールを加えて基剤を調製し、液状もしくはペースト状の薬剤を被包して、一定の形状に成形したものである。ソフトカプセル製造では、ゼラチン皮膜の形成と薬剤充填を同時に行ない、カプセルを完成させる。製造法として、ロータリー法と2重ノズル法が一般的に用いられる。ロータリー法は、カプセル鋳型を持つ一対の回転ローラーに、2枚のゼラチンシートを送り、薬剤を注入、充填して、連続的にカプセルを成形し、打ち抜く。二重ノズル法とは、流動パラフィンなどの冷媒中にセットした二重ノズルの中心から薬剤、外側からゼラチン溶液を連続的に供給して、球形カプセルを製造する方法である。後者はシームレスなカプセルができるが、形状が球に限定され、サイズも制約されるため、前者の製造法が主流となっている。ソフトカプセルは、医薬品の他に、ビタミンEやEPAなど、サプリメント、健康食品にも多く利用されている。