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Q&A集

ユーザーの方々からよく受ける質問をQ&A形式でまとめました。

コラーゲンとはなに?

培養方法とセルマトリックスのタイプの選択

コラーゲンの希釈方法に関して

その他

 


コラーゲンとゼラチンの違いを教えて下さい。ゼラチンは4℃でゲル化するのに対し、なぜコラーゲンは37℃でゲル化するのですか?

コラーゲンが変性したものがゼラチンです。もう少し具体的に説明すると、コラーゲンとは三本鎖ヘリックス構造を保持した分子量30万の蛋白質です。

この三本鎖ヘリックス構造が熱などによって、この構造が壊れランダムコイルとなった蛋白質がゼラチンです。
即ち、ゼラチンとコラーゲンとは、一次構造 (アミノ酸組成)は同じで、2次構造が異なるということになります。この違いが、コラーゲンとゼラチンのゲル化条件の違いに反映されます。

コラーゲンは三本鎖ヘリックス構造を保持し、ヘリックスの外側には疎水性ア ミノ酸であるプロリンが配列しています。コラーゲンのゲルは、この疎水性ア ミノ酸を利用して<温度が高い方が高い結合力を示す>疎水結合によってゲル化します。

これに対して、ゼラチンは2次構造が壊れ、親水性アミノ酸が外側に配列しま すので、水素結合とイオン結合によってゲル化します。

温度が高いとこの<水素結合力+イオン結合力>よりもゼラチン主鎖の熱運動 が打ち勝つ為ゲル化しませんが、低温になると
水素結合力+イオン結合力>熱運動力となり、ゼラチンはゲル化します。


ゼラチンゲルで培養できますか?

ゼラチンゲルでは培養できません。ゼラチンゲルは37℃の培養条件下ではゲル化せず、溶けてしまうからです。
組織培養におけるゼラチンの利用を紹介すると培養皿にゼラチンをコートして培養する方法とホルマリンなどで架橋したゼラチンスポンジの上で培養する方法が一般的です。


コラーゲンゲルを購入したいのですが、ありますか?

商品としては、コラーゲン溶液の状態で販売しています。添付のマニュアルに従って、コラーゲンゲルを作成して下さい。
コラーゲンゲル培養用の商品名としては、セルマトリックス タイプI-Aで注文 して下さい。初めてコラーゲンゲル培養法をされるお客様の為に、ゲルを作成 する為に必要な試薬がセットになったコラーゲンゲル培養キットも準備してお ります。


なぜ、酸性溶液に溶けているコラーゲンで培養できるの?

実際に細胞をコラーゲンに包埋する前に、酸性のコラーゲン溶液を中性にします。
調整後のコラー ゲンは低温では溶液状態を保持してますので、この状態で細胞浮遊液をコラー ゲン溶液に混ぜます。
その後、この細胞を含んだコラーゲン溶液を培養皿に移 し、37℃に加温するとコラーゲンは細胞を包埋した状態でゲル化します。これ が、コラーゲンゲル包埋培養法の作成方法です。
詳細については、コラーゲンを用いる細胞培養マニュアルをご参照ください。


セルマトリックスは、たくさんのコラーゲンの種類がありますが、どれを選んだらよいの?

目的によって、用いる種類が変わります。
主な目的別に商品群を分けると以下のように分類されますので、御参照下さい。

コラーゲンゲル培養法には、コラーゲン・ゲル培養キット、セルマトリックス タ イプ I-A,セルマトリックス タイプ I-Pの順に、コラーゲンゲル培養法に適 しています。
他のセルマトリックス(セルマトリックス タイプI-C、III、IV)では、コラーゲンゲル培養はできません。

コラーゲンコート培養法には、セルマトリックス タイプI-Cが標準的なコート 培養法に適しています。お客様の細胞及び実験系に最適のセルマトリックスの タイプを検討するのであれば、実験的に他のタイプのコラーゲンを検討して下 さい。例えば、上皮細胞で あればセルマトリックス タイプIVなど、です。


コラーゲンゲルは、なぜ寒天ゲルより培養効率がよいのでしょうか?

寒天培養法とコラーゲンゲル培養法の違いを簡単に説明させて頂きます。
細胞は寒天に対するレセプターをもっていませんが、コラーゲンに対する レセプターはもっています。即ち、コラーゲンゲル内に包埋された細胞は、細胞がコラーゲン基質に接着した状態で細胞が増殖します。
しかし、寒天に包埋 された細胞は、細胞は寒天基質に未接着の状態で細胞が増殖します。特に、接 着依存性細胞は、コラーゲンゲルで細胞増殖はしますが、寒天内では増殖しま せん。
比較的接着依存性が低いといわれている癌細胞でさえ、コラーゲンゲル 培養法の方が、寒天培養法よりも数倍高いコロニー形成率を示すことが報告さ れています。

コラーゲンゲル培養法の効果としては、細胞増殖、細胞分化の誘導、形態形成 などに有効であることが多数報告されています。
コラーゲンゲル培養法の詳細 な報告については、コラーゲンを用いる細胞培養マニュアルの論文紹介を御参照下さい。


コラーゲンゲル包埋培養法とコラーゲン・コート培養法は、どう違うのでしょうか?

コラーゲンゲル包埋培養法は、コラーゲンゲル内に細胞を包埋し、細胞培養を行う方法です。
コラーゲン内に包埋された細胞は、in vivoと同様に三次元的に増殖します。
コラーゲンコート培養法は、培養皿にコラーゲンを薄くコートし、その上で細胞を培養する方法で、細胞は単層様に増殖していきます。

以上をまとめますと、コラーゲンゲル包埋培養法は、コラーゲンを細胞外マト リックスとして利用した三次元培養法であり、コラーゲンコート培養法は、コラー ゲンを細胞接着因子として利用した二次元培養法(単層培養法)という分類に なります。


コラーゲンゲル培養法を行いたいのですが、どのセルマトリックスを選んだらよいでしょうか?

セルマトリックスタイプI-Aをお選び下さい。初心者用に、コラーゲンゲルを作成する為の試薬が全てセットになったコラーゲンゲル培養キットもあります。
初めての方は、このコラーゲンゲル培養キットの御購入をお勧めします。


コラーゲン・コート培養法を行いたいのですが、どのセルマトリックスを選んだら、よいでしょうか?

セルマトリックス タイプI-Cをお選び下さい。セルマトリックス タイプI-Cは、低粘度であるため扱い易く、標準的なコラーゲンコート培養法に最適です。
細胞の種類と培養条件によっては、細胞に適したコラーゲンをコートするとよりよい結果が、得られる場合もあります。
例えば、上皮細胞の場合は、セルマトリックス タイプIVコラーゲンなどです。実験的にご検討下さい。


コラーゲン培養法を勉強したいのですが、適当な論文を紹介してください。

詳細については、オンラインマニュアルをご参照ください。
このマニュアルには、コラーゲンとは何か、コラーゲン培養法の効果、コラーゲン培養法の具体的な方法などが、詳しく紹介されています。

論文については、コラーゲンを用いる細胞培養マニュアルの論文紹介の項をご参照下さい。


コラーゲン・ゲル包埋培養の方法を、具体的に教えてください。

酸性の溶液であるコラーゲン溶液(商品名セルマトリックスI-A)を 中性に調整します。
調整後のコラーゲンは低温では溶液状態を 保持してますので、この状態で細胞浮遊液をコラーゲン溶液に混ぜます。その 後、この細胞を含んだコラーゲン溶液を培養皿に移し、37℃に加温するとコラ ーゲンは細胞を包埋した状態でゲル化します。
詳細については、コラーゲンを用いる細胞培養マニュアルをご参照ください。


コラーゲンのコートの方法を、具体的に教えてください。

セルマトリックス タイプⅠ-Cを希塩酸(pH 3.0, 約10-3M)で10倍以上に希釈し、培養皿に加え、室温で30~60 分静置します。
静置後、コラーゲン溶液を吸い取り、常温で無菌的に培養皿を乾燥させます。乾燥後、PBS又は培養液で2度洗浄し、細胞懸濁液を加え、通常の培養を行います。


コラーゲンコートする時、培養皿にはどれくらいの量のコラーゲン溶液を注げばよいでしょうか?

コラーゲン溶液が、培養皿底面に均一に行き渡る量を注ぎます。
目安としては、1ml/10cm2の割合であれば充分です。


セルマトリックス タイプIVで包埋培養できますか?

セルマトリックス タイプIVコラーゲン単独では、包埋培養できません。
包埋培養下におけるIV型コラーゲンと細胞との相互作用を研究したいのであ れば、I型コラーゲンとIV型コラーゲンを混合してください。セルマト リックス タイプIと セルマトリックス タイプIVの混合比率は、1:2~2:1の 範囲が良いでしょう。
混合比率とコラーゲンゲルの強度の関係については、当社マニュアル<コラー ゲンを用いる細胞培養法>をご参照下さい。


コラーゲンとは、培地のことですか?

コラーゲンは、培地ではありません。コラーゲンとは、培養基質の事です。
生体と対比すると、血液に相当するものが培地で、体の構造支持体であるコラ ーゲン組織に相当するものがコラーゲンゲルです。
in vivoにおいて細胞はコラーゲンを細胞外マトリックスとして生きています。
このような生体内の環境をin vitroで再現しようと考案されたのがコラーゲンを培養基質として用いるコラーゲン・ゲル包埋培養です。


コラーゲンの希釈方法を、教えてください

pH3.0の希塩酸で希釈します。希釈方法は、試験管のような細い容器では、 コラーゲンが高粘性の為に希釈しにくいので、三角フラスコや遠心管(例えば、50ml 培養用プラスチック製遠心管等)の様に太い容器を用いると希釈しやすくなり ます。
三角フラスコの場合は、円を描くように10回程度、遠心管の場合は、 転倒攪拌を10回程度行って希釈してください。もし、泡立ってしまった時は、 一晩静置した後に使用するか、低速遠心分離(1500rpm, 3mim)で脱気した 後に御使い下さい。

又、コラーゲン・コート培養用に開発された低粘度タイプのセルマトリックス タイプI-Cをご用意しております。一度、ご検討下さい。


pH3.0の塩酸は、何モルですか?作り方を教えてください。

pH3.0の塩酸は、10-3モルです。但し、塩酸は強酸ですので濃度で合せるより、pHメーターで調整した方が早く正確に作れます。
例えば、pHメーターで測定しながら、100mlの蒸留水に1Nの塩酸をパスツールピペットで1滴づつ入れていきます。
pH3.0の塩酸を作成後は、オートクレーブ滅菌又はろ過滅菌して下さい。